氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

とある神様に恋した詐欺師のはなし

うっすらコウ→比呂也君のお話。

 

あるところに、世界が嫌いな人達がいました。

その人達の中でも、詐欺師さんは一番世界が大嫌いでした。

詐欺師さんにはおとうさんとおかあさんがいません。おとうさんは死んでおかあさんは詐欺師さんが殺しました。

そんな詐欺師さんは人も大嫌いでした。神様も嫌いでした。

人はいつも神様にお祈りします。でも神様は助けてくれません。だから詐欺師さんは神様も、そんな神様にすぐすがる人も大嫌いでした。

 

そんな詐欺師さんでも好きなものはあります。

詐欺師さんはお日様の光のさす木の枝の上でお昼寝するのが好きです。

その日も、甘いお花の香りがする丘の木の枝の上でうとうととしていました。その時、

「ちょっと!何しているんですか!」

木の下から大きな声が聞こえました。とても気持ちいい時に邪魔されたので少しイライラしました。それが大嫌いな人の声ですからなおさらです。殺してしまおうかと下を見ました。

「…、」

そこには、とてもきれいな人がいました。透き通るような水色の髪は風に靡ききらきらと輝いていました。

その人は時間の神様なのでした。

詐欺師さんは人も神様も大嫌いでしたが、神様と出会い、ほんのちょっとだけ好きになりました。

そしてなんだかよくわからない感情が胸の中に生まれました。

何故だか神様のことを考えるといつもの詐欺師さんではなくなるのです。

それを、カゾクの悪魔や偽善者は恋だといいました。

だけど、詐欺師さんと神様は何もかも違います。

 

詐欺師さんはそんな小さな恋を隠して、今日も丘へ行きます。

            end

 

要約すると比呂也君好き好き大好き!なコウです。