氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

Die Welt ist zu grausam,

http://nanariku.hatenablog.com/entry/2013/06/03/101919】と【http://nanariku.hatenablog.com/entry/2013/06/06/184823】の続き…?

ほっちゃんのも見るといいかも。

注意

進撃の巨人パロ

・もはやパロじゃない

・微グロ…?

 

 「…ねえ、菠月ってさ、馬鹿でしょ」

「馬鹿じゃね…っってぇ!!」

ぐりっと冷やしたハンカチを赤く腫れあがった頬に押し付けられる。雹我ははぁ、とため息をつき湿布を貼りつけた。

「菠月、わかってるよね?僕達が今一番見るべきなのは巨人。一時の恋愛感情に流されてる暇はないの」

「……わかってるつーの」

これで何回目だろう、と雹我は思った。大切な幼馴染が恋をした、というのは喜ばしいことだ。だが、人と状況が最悪だ。

状況は知っての通り、人類は滅亡の危機に晒され、心臓を人類の未来に捧げている。

そして、菠月の恋した相手。

「…斎宮寺兵士長のどこがいいの?」

「え、何だよ、梓兵長のいいとこ聴きたいの?しゃーねーな!語ってやるよ!あ、惚れるなよ!」

惚れないよ、と呟いたがマシンガンのように語りだした菠月には聞こえていない。

(…ま、いーか)

ほんのすこし、羨ましくなった。

ぐちゃり

淡い金髪が噛み砕かれ、飲み込まれたのをすこし茫然としてみた。

自分の先輩であり、家族でもあった青年の最期がこんなにあっけなかったのか、と乾いた気持ちで思った。

がしゃんと金属音が響き現実へと戻った。

見ると、ぐったりと壁にもたれた菠月が見えた。その前には、巨人。周りには

(…にーも、夘月さんも食われたの?)

走った。残り少ないガスを蒸かし必死に跳んだ。

(菠月、菠月―!)

大きく口が開かれて、

 

 

「…ひょ、…が?」

意識を取り戻した菠月が目にしたのは、幼馴染の上半身が巨人の口からぶら下がっているところだった。

「…は、き」

「…!ヒョウガ!」

虚ろな目を菠月に向け、微笑んだ。

「…こぃ、かなうとい、ね…」

それが、最期の言葉だった。

形容しがたい音が響き、ナニカが菠月の傍へ転がってき、頬に何かが飛び散った。

「…ぁ…」

菠月の頭が、真っ白になる。

 

彼は泣きながら削いでいた。それが彼を見た兵士のせりふだった。

調査兵団の者達が彼を見つけた時、彼は返り血に染まり下半身のない死体を抱き、泣きはらした目で虚空を見ていた。

Die Welt ist zu grausam,

(世界はあまりにも残酷で、)

(俺は独りになった)

 

菠月が独りになりました。

ちなみに言うと雹我はミカサ的ポジションです。食われたけど。ほんのり片思いしてました。

誰か続き書いておくれ((