氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

Ich liebe Abschied.

進撃パロだったら菠月は梓君守って死んでくのよっていう駄文。

注意

進撃の巨人パロ

・もはやパロじゃない

 

 ドッ、ともゴッ、ともどちらにもとれるような音と衝撃が俺の身体に走った。

 「―菠月!」

 あ、兵長の声。よかった、無事だったんだ。

巨人が兵長に向かって拳を振り上げてたから、俺、兵長のことかばったんだっけ。体中痛い。

「菠月、おい!しっかりしろ!」

視界に映る兵長の顔が大きくなった。あ、俺いま兵長に抱き起こされてるんだ。

「…はは、あずさへいちょうから、はじめてっすね」

「…馬鹿野郎」

でも、わからない。兵長の体温とか、触れられてるって感覚がない。

(…ああ、俺死ぬんだ)

昔桐にぃに見せてもらった医学の本に人は死ぬ時触覚から失ってくって書いてあったな。あれ本当だったんだ。

「意識はハッキリしてるな?もう少しがんばれよ、死ぬなよ!?」

兵長らしくない。すごい焦った声。

…多分、兵長もうすうすわかってるんだ。

実を言うともう声しか聞こえてない。

匂いも兵長の顔も、わからない。それでもおかしくならないのは多分兵長の声が聞こえるからだと思う。

「……へ、ちょ」

「何だ、くだら「おれ、うみみたいです」…え」

「おーろら、っていうそらからかかるのもみたいです」

「菠、月…?」

「さばく、とか…」

「っ見れる!見れるから…っ」

「でも、もうむりっぽいです」

どんどん兵長の声が震えてく。ほんと、らしくないですよ。

「だから、」

「おれのかわりにみてください」

俺は、ちゃんと笑えてるかな。笑えてるといいな。

へーちょ、いきて、ください」

兵長、いや、梓さん。

 

Ich liebe Abschied.

(さよなら愛しています。)

 

(いつか、どこかで会いましょう。)

 

 

人が死ぬ時、五感は触覚→視覚→嗅覚→味覚→聴覚の順で消えていって心臓が停止しても20秒くらいは聴覚が働いてるらしいです。