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氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

崩れた壁の向こう

ジンが運命の出会いをする直前の話

 かつかつとブーツを鳴らしてしんとした廊下をゆっくりと歩く男―ジンはきょろきょろとあたりを見回した。

そこは、かつて彼らがいた場所とひどく似た場所だった。

「…!」

声が聞こえた。声のする場所へと足を進めると、白衣の男が怒鳴っていた。

「おい!649!侵入者だ!早く来なければ―」

だん、と火薬が爆ぜる音が響き、怒鳴っていた男は静かになった。ジンは軽く男の身体を蹴り仰向けにさせる。完全に息を引き取っていることを確認するとばたばたと集まってきた研究員達の方へ身体をむけた。

 

(…きたねえ)

返り血を浴びた頬を乱暴に拭うとジンは奥へと進みだした。その足元には研究員達であったものが転がっていた。

(簡単じゃねえか。全員ぶっ殺して、生命装置を停止させる。なんでわざわざ俺を指名した?)

(3人の中で一番小さいから小回りがきくとかそんなだったらぶっ飛ばすぞ)

まっすぐ進んできたジンは足をとめた。大きな扉にさし当ったからだ。

(…なんだ、この扉)

扉の向こうからはナニカの気配がする。人ではない、ナニカ。

(…ぶっ壊して、抵抗したら殺そう。抵抗しなかったら、少し様子を見よう)

手榴弾のピンを抜き、扉の方へ抛る。かつん、と床に落ちた瞬間それは爆発した。

 

「助けて」

 

爆音のなか、ジンは確かにその声をきいた。

崩れた壁の向こう

(見たことがないくらい綺麗な、)

(それでいて俺と似た目がこっちを見ていた)

 

 

ジンは聴覚鋭くて半径50mくらいなら何でも聞こえます。

ジンのコートの中には手榴弾とか弾とかいっぱい((