がんばれ、
緋月と翠陽と惚れたと勘違いしてるシャルビーネ
「ねえ翠陽緋月蒼星なんかあったの?」
「…は?」
聖域に呼ばれたので来てみると何故かゲンドウポーズで待っていたシャルビーネの第一声に間の抜けた声がでた。シャルビーネは真剣な顔で問いかける。彼女からすれば大事な子供なのだ。
「さっき来て『今日は用事があるから帰るのだよ!』って帰っちゃったのよ!ねぇ何があったの反抗期!?グレた!?」
「しゃ、しゃび姉すいひ死んじゃう…!」
翠陽の胸元をつかみがくがくと揺さぶるシャルビーネに緋月は止めようと腕を抑える。翠陽はぐったりと魂が抜けかけていた。
「友だち?」
「ああ。いつも雨のふってる海にいるんだと。多分蒼星と一緒のやつだろ?」
「うん、そうね。誰の創った子かしら…?」
うーん、とシャルビーネは考えこみ始める。彼女と同じ創造主を思い浮かべているのだろう。そしてたっぷり十分間考え込んだ結果が、わからない、だった。
まあそんなことだろうと翠陽と緋月は密かに思った。
「誰かしらー。あの子がそこまで惚れこむ相手って。会ってみたいわぁ」
「…しゃび姉、惚れるって…」
ちがうの?とでも言いたげにシャルビーネは首をかしげた。
「…ま、いいわ。蒼星、」
がんばれ、
(いつか紹介しに来なさいよ)
シャルさん勘違いなう。