氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

あなたの痛みは俺の痛み。

※奇病シリーズ※

梓君の奇病治すために探しまわる菠月。

 

声のでない生活とは、結構不便なものである。

自分の意思を伝えることができない。まあそれは筆談という手段を手に入れてからなんとかなったのだが。

それでも、

朝起きてすぐあの赤い宝石を齧るのはまだ言葉を取り戻したいからなのだ。…薬である人魚の鱗なんて手に入らないのだから、諦めてしまえばいいのに。

(…こない、な。せんぱい)

いつもならこの時間帯には恋人である梓が顔を見にきてくれるはずなのだ。これないときは連絡をくれるはずなのに。

そのとき、

「!!」

携帯が鳴り響き、びくりと身体を震わせる。液晶には梓の親友の名前が表示されていて。

(しんら、せんぱい?なんで?)

通話ボタンを押し耳に当てる。ひゅっと息を吸った音で繋がったとわかったのだろう。彼らしくない、焦った声が飛び込んできた。

「……!?」

(せんぱいのめから、はながさいた?きびょうに、かかった?)

 

菠月が病院にかけこんで見たのは痛みに苦しむ梓の姿だった。

心羅に事情をきき、今日のところはと家に帰った菠月はパソコンに向かった。検索内容は、彼の奇病を治す方法である。

(…はなの、みつ?)

あまりにも普通なものでぽかんと画面をみつめた。次の瞬間駆け廻ったのは何の蜜がいいのだろうということだった。

 

あなたの痛みは俺の痛み。

(だからあなたが治れば俺はうれしいの)

 

 

このあとつつじやら蜂蜜やら大量に集めだすのですよ。

改めて菠月で診断やったら奇跡的に病状と進行したらが変わらず薬が愛する人の涙に変わった件について←