このまま目を覚まさずに、
菠月の過去話。大雅に引き取られる前の病んでるとき。
「…い、たい」
空き缶やゴミが散乱する部屋で菠月は真っ赤になった目で天井をみていた。
引きちぎられた服とは言えない布を纏った菠月の身体には痣や切り傷がたくさんあり、痛々しいものであった。
「…また、すんのかな…?」
菠月にこのようなことをした男はどこかへと姿を消しており、ここにはいない。
…彼は休日が嫌いである。何故かというと、男にこのようなことをされるからだ。
何故、このようなことになったのだろう。たしか、両親が事故で死んで。兄の夘月と引き離されて。
菠月はもう壊れかけた涙腺から涙を流すと汚いぼろぼろの毛布にくるまった。
「…やだよぅ…」
ぽつりと涙とともにあふれた本音は止まらなかった。
「もうやだよ…うつきにぃ、あいたいようぅ…たすけてよぉ…っ」
このまま目を覚まさずに、
(眠り続けられたらどんなに幸せだろう)
親戚に虐待受けてた菠月。梓君の愛ある暴力も最初は怖くてたまらなかった。
ちなみにこの親戚はまだどこかで生活してたり。そんで菠月のことさがしてたり。