氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

絶対オレが守るから

太陽の過去的な。

 

 

 

オレは何のために生まれた?

そう聞けばアイツは笑って世界に祝福されるためだと言った。

司るものもない不完全な神でもか、と聞けば困った顔をした。

 

こんなところにいたくない。

オレは聖域を飛び出した。

 

「…どうしよう」

勢いだけで今まで生きていた場所を飛び出してきたがやることも行きたい所もない。金はあるからどこか宿でも探そうか、そう思いあたりを見回したその時だった。

「捕まえたぞこの泥棒猫!」

「い゛っ!」

青果店の主人らしき男が薄汚い少年をねじ伏せ殴りつけている。少年は身体を丸め痛みを堪えているようだった。

…平和な世界で暮らしてきたからであろうか。あの暴力をとめたかった。

宿を探していたはずの足は少年に向いていた。

 

「いだいいだいいだいぃぃっ!」

「我慢しろガキ。男なんだから」

血に塗れた腕に消毒液をかける。激痛が少年を襲ってるらしくじたばたとあばれる。じっとしていろクソガキが。

「…何がどうしてオマエみたいなガキが盗みなんてすんだよ」

「……お金ないし」

「親は」

「死んだ」

淡々と話す少年は嘘を言っている感じはしなかった。…話をまとめると少年の名はニーナといい、近くの裏路地に孤児たちを纏め暮らしてる、親は死んでいる、金がないから飯が買えない、だから盗んでいる。

「助けてくれてありがとうねオニイサン。じゃ」

すたん、と軽やかに跳んだニーナからはさっきまでの子供らしい表情はなかった。そこにあるのは誰にも頼らないという哀しいかお。

「…まてよ、」

「なにさ」

「路地裏のガキ全員連れてこい」

 

 

綺麗に掃除した大きな家の前で太陽は孤児たちを集め言った。

「いいかガキども。お前等は今日からここに住む。オレがお前等の親だ。ものは盗むな。人から金を巻き上げるな。子供らしく暮らせ。安心しろ。お前等は絶対に、」

絶対オレが守るから

(次の瞬間雪崩のようにガキどもが飛びついてきた)

 

という。孤児院のメンバーについてはまた後日。孤児院の職員さんとか孤児さんとか募集中ですー!