氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

あついな

ルビーのあの異常気象起こしてる時の緋月

時期としてはバンビーナさん達と出会ってまだ緋月が好きだって自覚してないころ

 

 

(…あれ…)

ゆるりと緋月の意識は浮上した。視界は目が焼けるような朱。浮上した意識はゆらゆらとまた沈んでしまいそうにゆれ、頭は働かなかった。

(それがし、どうしたんだっけ…?)

身体のあちこちはずきずきと痛み、働かない頭もなかを鈍器で殴られているかのような激痛が絶えず緋月を襲っていた。

(…さんぽ、してて…そうだ、このしまのひとじゃない、ひとにはなしかけられて…)

外の世界は大丈夫だろうか、と顔をわずかにあげた。しかし見えるのは朱だけでがくりと項垂れた。おそらく己の特性が何かによって活発になっている。このままでは、昔のように。

(…あつい)

自分はあつさには耐性があるはずなのに、とじりじりと肌を焼く熱に顔を顰めた。

(たすけて、だれか…)

(………ばん、びーな、さ………)

この場にいない、彼に助けを求めたのは何故だろう。

緋月の意識は再び沈んでいった。

あついな

(こんなに弱かったっけ?)

 

 

あつい、は暑いと熱いのどっちの意味を含んでます。