氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

私はずっと。

神を愛した少女の話。

ひとつ前の話に出てきたウェヌスの話。

 

 

 

私はどんなあなたでも大好きですよ?

 

塔にいる時が一番楽しかった。

家にいても、退屈だし、集落に楽しいことなんて一つもなかった。大人ばっかで、子供は私のほかに二人しかいなかった。

だから、あの塔で、水神様と、雷神様と、炎神様と。笑いあっているのが楽しくて、幸せだった。

水神様のお嫁さんになれるって知ったときは、ほんとに、嬉しかったの。だから、道がぬかるんでるってこと忘れて走った。

気づいたら、空がゆっくり遠ざかっていった。

 

また気づいたら、水神様の背中が見えた。

(あれ?)

髪を伸ばし放題にしていた水神様の髪は柔らかそうな布で一つに纏められていた。…服も、知らない服だった。

「アクアー、」

(あ、あくあ!?)

え、え、何!?アクア!?水神様の反応をみるかぎりアクアとは水神様の名前らしかった。そのあとの単語は、私の知らないものだった。

「聖域」「創造主」「シャルビーネ」「雨の化身」「スイクン

…他にも色々出てきたけど、理解する前に私の回路がショートしたらしい。頭に入ってこなかった。

「じゃあ、すこし遠出になるけどお願いね。僕、ケイの見張りしなきゃだから」

「わかってる、ライトニング。明日にでも出るさ」

(雷神様だ)

ではおそらくケイが炎神様なのだろう。一体何があったんですか。

水神様…もとい、アクア様はひょいひょいと木と木をつたって移動していく。一体、どこへ行くのだろう。

…道が開けて、大きな建物が見えた。

そこから出てきたのは。

(…え)

サイドの赤い髪。ぴょこりと飛び出た髪。…私とおんなじ、ミロカロスの男の子。しかも、

(私にそっくり!?)

その男の子と仲良く話すアクア様は幸せそうに笑っていて。

(…ああ)

きっと、アクア様はあの子を愛しているのだろう。あの子も、アクア様を愛してる。

(…ねぇ、君。私のぶんも、アクア様の傍にいてね。お願い)

男の子に向かって話しかける。聞こえてはいないようだけど。心残りはない。身体が軽くなっていく。

…ああ、私じょーぶつ?するんだろうな。

そのとき。

アクア様とあの子が口づけをした。

(…)

私はその時、何かを開く感じがした。

私はずっと。

(お二人を見守ります!)

 

腐女子の扉を開いたウェヌス。やったねウェヌスちゃん!←

このあとヴィーナス君とアクアを守る霊体となります←いつか転生させt…ハッ、アクヴィの子供として転生させればいいんじゃね…?