氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

真夏の夜にて

署長のある夜のこと。

 

 

 

「んー…っ、キツイ…ですねぇっ…」

草木も眠る丑三つ時…ではないがしんとした夜の道を赤毛に黒メッシュの男、ファイルンは歩いていた。彼が署長を務めている警察では今とある事件を調べていて、夜も寝ずに張り込んでいる最中なのである。ファイルンはそんな部下達に近所のコンビニで何か買っていこうと思ったのである。

しかし張り込んでいるのはファイルンも同じであり、くあぁ、と欠伸をした。

「…んぅ?」

コンビニからの帰り道、遠くに人影のようなものがみえた。

「…子供?何で?」

「んー?おにーさん誰?」

人影の正体は小さな女の子でくりっとした丸い目でファイルンを見上げた。

「私はおまわりさんです。こんな時間に出歩いてちゃ駄目ですよ?」

「えー」

「えーじゃありません。変な人に連れて行かれちゃいますよ?」

むぅ、と口をとがらせた少女にファイルンはどうしたものか、と首をひねった。コンビニの袋を漁り、ひんやりしたものが触れ、それを引っ張り出した。

「じゃあ、これあげますから。早く帰りなさい」

自分用に買ったアイスを少女に差し出すと渋々といったように少女はアイスを受け取った。

「家はどこですか?送っていきますよ?」

「いいよ、ちぃ帰れるから!」

たたっと走りだした少女はくるりとファイルンの方を見るとにっこりと笑って言った。

「さっきの変な人に、っておにーさんも気をつけなよ!」

「え?」

「にゃはっ、だっておにーさん、危機感なさそーだもん!」

ぽかん、とファイルンは走り去る少女の背中を見ていた。

真夏の夜にて

(またあの子と会うことになるなんて、この時は思ってもなかったんです)

 

ファイルンとちぃこちゃんの出会い話。このあと今捜査してる事件にちぃこちゃんが巻き込まれて再会したらな、なんて((

そしてファイルンから漂う受け臭←