【IF】警察死亡シーン詰め
タイトルの通り。ツイッターでこぼしたやつ。
流血表現あり。
パァン、と乾いた音がした。
じくじくと焼けるような痛みが腹部に広がりカドゥタは蹲った。
「カドゥタ!」
ファイルンがこちらを見、駆け寄ろうとする。
「くんなや!」
痛みをこらえ一喝すればファイルンは立ち止まる。今にも泣きそうな顔でぐっと唇を噛みしめている。それが何だか子供っぽくてカドゥタは笑った。
「…っあっちに、あんたが大事にしてる女の子おった。はよぅせんと手遅れになってまう。はよぅ行きぃ!」
「…しかし、」
「しかし、やないこの馬鹿!ウチは大丈夫やから!」
はい、と小さく呟いたファイルンは躓きながらも走って行った。それを見送ったカドゥタの意識はそれきりうかぶことはなかった。
「…危ないっ!」
目の前の小さな身体を押す。直後胸のあたりに熱い何かが広がる。
「おにーさん!」
ちぃこの焦った声が飛び込んでくる。初めて聞いたな、と頭の冷静な部分が思った。
「…なに、してるん、ですか…はやく、ここから」
「お、おにーさ、」
泣きそうな顔で自分を抱きしめるちぃこの頭をぎこちなく撫でながらファイルンはぽつぽつと呟いていった。
「…ほんとは、あなたに触れられるの、うれしかったです」
「はやく、ここから、にげてください」
「…はや、く…」
「だったら!おにーさんも!おにーさんも…!」
「ちぃこさん」
ファイルンは微笑んだ。
「 」
ぱたり、とファイルンの手が落ちた。
「美也子、どーする?」
「どうするも何も、何もできないわよ」
美也子と仁王は背中合わせで座り込んでいた。二人とも疲労困憊でぜいぜいと荒い息をしていた。
「…ねえ、生きて戻れると思う?」
「思わないわね、この状況じゃ、無理よ」
二人の周りには武装した者がぐるりと囲っていて、逃げる隙はなかった。
「…オレ、こいつら一掃する方法思いついた」
「奇遇ね、私もよ」
二人はくすりと笑うと美也子は日本刀、仁王はいくつかの手榴弾を取り出した。
「未練はあるかしら?仁王」
「イヴェリアちゃんとデートしたかった」
「…また奇遇ね、私も」
美也子は日本刀の切っ先を自分の胸元に向けた。
「遺言はある?美也子」
「…さぁ?ま、どうせ、あの世でも一緒よ、皆ッ!」
思い切り刀を突き刺す。刃は美也子の身体を突き抜け仁王の身体から飛びだす。飛び出た瞬間仁王は持っていた手榴弾を落とし、口の中の爆弾を噛み砕いた。
次の瞬間、そこには何も残っていなかった。
という。ただのバッドエンドが書きたかっただけ。