氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

花の棺で眠るお姫様

フィオーラのIf話。穢れを溜めこんだ結果。

 

「…そろそろ、かなあ?」

聖域の一画の花畑で座り込んだ少女が呟いた。風に吹かれて桃色の華吹雪が舞った。足元の桃色の花を一輪摘み、花弁にそっと口づける。

瞬間少女の背にふわりとした翼があらわれ少女は花弁とともに空を舞った。

「感謝、とどけるのー…!」

ぐらり、と少女の体が揺れた。そのまま少女の華奢な体は花畑に墜落する。

「…フィオ!?」

聖域の神殿から出てきた青年が血相を変えて駆け寄る。フィオと呼ばれた少女、フィオーラは荒い息を吐いた。

「ティー、ちゃ…」

「どうしたの!?お、おかあさん!フィオが、フィオが!」

母が自分の名を呼ぶのを聞いた直後、彼女の意識は暗く沈んだ。彼女が愛した花畑の中央に横たわる彼女はまるで。

花の棺で眠るお姫様

(王子様はこない)

 

 

映画の設定だったと思うんですがシェイミは穢れを取り込んでシードフレアで浄化する的なのを思いだしたので。

一応このIf話のフィオーラは死にはしませんが目覚めることもないみたいな状態になります。

目覚めるときは、ほら、王子様のキスで←