氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

躾という名の暴力

うちのジガルデとイベルタル。暴力表現注意

 

 

「あれれ、何ですか?もしかして抵抗とかしてたり?」

風邪が吹きぬける静かな森の奥に、肉と肉がぶつかり合う音が響く。ただしそれは一方的なもの。

「…っ、…っ!」

一方的に嬲られている男、ファイルンが首を絞めている男の手を退けようと感覚の無くなった手を添える。オレンジ色の瞳に涙を溜めながら、それでも鋭い光を湛えにやにやと笑う男を睨みつける。

「あはははは、話せないですかー?じゃあいいです、よッ!」

首を絞めていた手を離し、揺らいだ体を思いきり蹴り飛ばす。赤い飛沫をまきちらしながらぼろぼろの体は草むらの上をごろごろと転がった。

「…ぁっ、は、うあっ」

ぜいぜいと荒い息を吐くと口の端からぱたぱたと赤い血が落ちる。くすくすと笑いながら近づいてくる男を上目づかいににらみつける。

「ねぇ、どうしたんです?前まではただ耐えていただけだったじゃないですかー。どうして抵抗するんですかぁ?」

「…っ」

男は前髪をつかみ無理矢理ファイルンの顔をあげさせる。血と涙と唾液でぐちゃぐちゃになった顔が男の目に映り男はにぃ、と笑みを深くした。

「ねぇ、何故ですか?ねぇ、ねぇ」

「…サクロはッ、勘違い、してる…っ」

サクロと呼ばれた男は思い切り頬を殴り飛ばした。ファイルンの口から血が吐き出されたがサクロは気にせずに頭を踏みつける。

「…勘違い?私が?何に?」

「…私は、食べないっ、人も、生命も…!」

「お前は食べないと死ぬんですよ?ああ、死ぬ時に嫌でも生命吸いきって繭になるんでしたっけ」

オレンジ色の瞳は変わらずサクロを睨みつけている。サクロはそれが面白くないとでもいうように笑みを消した。

「…生気、分けてもらっているから、大丈夫っ、です」

「………へぇ?」

しかし笑みが消えたのは一瞬のことで再びサクロの顔に笑みが戻る。

「今日はこのくらいにしといてあげます。でも、まぁ、近いうちにまた、きますねー。じゃあ、せいぜい元気で、監視対象」

さくさくと音をたててサクロは姿を消した。後に残されたたファイルンはほろほろと涙を流した。

躾という名の暴力

(ごめんなさいちぃこさん、あなたを危険にさらしてしまうかもしれない)

 

というわけでうちのクレイジージガルデ、サクロさん。

サクロについてはまた後日ー。