氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

自己再生系男子の家族の思い

二人でお話してる時のラナンキュラス、ジンside。

 

 

 

「ラナ」

声をかけられラナンキュラスは振り向いた。そこには湯気のたつマグカップを持ったジンが立っていた。

「あら、ジン、ありがと」

マグカップを受け取り一口啜る。ちょうどいい温度の液体が喉を流れラナンキュラスはほぅ、と息をついた。

「ステラは?」

「アンリちゃんとお話してるわ。二人きりで話したいんですって」

「…あいつ、あれをここに置きたいって言ってた」

「女の子にあれ呼びは失礼よ、ジン」

むぅ、とジンは黙り込んだ。よく考えればジンはフリージア以外の女性と接したことがない。ラナンキュラスは苦笑した。

「じゃあ、その話してるのかもしれないわね」

「…」

「ジン?」

いつもよりも口数が少ない。普段から必要以上に話さないジンだが少なすぎる。

「…あいつ、多分あれに恋してる」

またあれ呼ばわりしたがラナンキュラスは恋してる、という言葉に反応した。

「ステラが、アンリちゃんに?へえ、なら通ったのもわかるわぁ」

「…」

「…ジン、もしかしてあんた」

やきもち?と聞けば顔を赤くした。ジンはステラに想い人ができたことに兄を取られたような気持ちになったらしい。子供のようなジンにくすりと笑った。

「…うるさい」

「ジンがやきもちねぇ、昔のあんただったら考えられないわねぇ」

「ばか」

どうやらジンはへそをまげてしまったらしい。むっすりと黙り込んでしまった。ヒトらしくなったのは、ジンだけではない。ステラも、そして自分も。

「…ステラ、声かけねえな」

「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

立ち上がりリビングの扉を叩く。おぅ、と返事が聞こえラナンキュラスは扉を開けた。

 

自己再生系男子の家族の思い

(昔の自分たちからしたら、今の自分たちは考えられない)

 

 

人体実験の実験体だった三人は結構ヒトらしくなったな、と。それもこれも恋人さんたちのおかげです。

いらん情報ですがよく三人が何か飲んでたりする表現がありますが飲んでるのはラナンキュラスがココア、ステラがコーヒー、ジンがカフェオレだったり。