氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

本能が覚えていて署長は覚えていない遠い昔の話

シュリーヴンだけが覚えている忌むべき過去の話

 

 

 

―眠っていた

ずっと眠っていた。

硬い繭のなかで静かに、誰にも迷惑をかけないように。

だって、外にいたらおれらは他人を犠牲にしないと生きていけない。

そんなのただのバケモノじゃないか。

そんなの嫌だから、だから起こさないで。

 

腹がへった。

どうして、あんなに食っただろう?どうして、どうして。

繭がカタカタ震えだす。

やめろ、やめてくれ。

おれらは、もう

 

たくさん死んだ腹はふくれたでもおれらは目覚めてしまったどうして起こしたなあ教えろよ「  」どうしておれらを起こしたんだよ生き返らせるため?そのせいでおれらは目覚めてしまったしみんな死んだいやだもうやだ誰か殺せおれらを殺してくれ

 

「…やっぱりどうしてもあんたは破壊のバケモノですねぇ」

明るい緑の髪の男が血塗れの男に語りかけた。血塗れの男はぼんやりと男を見上げた。

「…今なら無償で繭に戻れますー。どうします?まあ繭に戻しますけどねぇ」

男が手を伸ばし血塗れの男の頭を掴む。血塗れの男は小さく何かを呟いた。

それきり、血塗れの男の意識は途切れた。

 

「―は、あ゛っ、はっ」

曇っていた視界は徐々にクリアになる。息が苦しい。シュリーヴンは転げ落ちるようにベッドから抜け出した。

とても嫌な夢をみた。遠い昔の夢。

(くるしい、きもちわるい)

ふらついた足取りは、とっさに思い浮かんだ男のもとへ向かっていた。

 

本能が覚えていて署長は覚えていない遠い昔の話

(狛、狛、こまにあいたい)

 

 

デスウィングが無駄にかっこいい()

シュリーヴンが若干ガキくさい…大人っぽい感じにしたいものですがね