氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

本能と恐怖

あまい、しょっぱい。

 

 

 

気づけば狛犬が自分を抱きしめていて、一番聞きたくなかった言葉を吐いて。

唇に温かいものが垂れる。無意識にぺろりとそれを舐めとるとぞくりと甘い痺れが脳におこったような気がした。

「ぅ、あ…」

ぐうぐうなる腹と本能がもっと、と語りかける。もっと、それが欲しいと。

絶えず分泌される唾液が溢れて口の端を伝う。唾液塗れの真っ赤な舌が口の前に差し出された血を流す手首を這った。

(おいしい)

夢中になって舐め続け、理性が戻ってくる。意識がはっきりすれば口の中の甘い液体に強い嫌悪感を示す。

「あ…あぁ……」

がくがくと足が震えてうまくたてない。狛犬に抱きしめていられていなければ崩れ落ちてしまっているだろう。歯がかみ合わずかちかちと音がする。目から溢れた涙は頬を伝って地面に落ちる。

シュリーヴンが感じているのは紛れもない、純粋な恐怖だった。

「ご、ごめ…ごめんな、ごめんなさいぃ…っ」

シュリーヴンはただ子供のように泣きわめくことしかできなかった。

 

本能と恐怖

(いやだ、嫌われたくない)

 

 

やっぱりガキっぽいシュリーヴンですすいません(土下座)

ゼルネアスさんをゼネルアスさんと呼び間違えていたのは俺です()