氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

実験少女と赤い女の子

フリージア目線。

 

 

ステ兄の様子が少しおかしくなったのはここ最近。

ふらっておうちを出て行って暗くなってから戻ってくる。前まではそんなことなかったのに。

昨日なんてたくさんの栗を拾ってきた。ラナは食べきれないじゃない、って怒ってたけど僕はモンブラン食べれてうれしかったな。

それで、今日。残った栗ご飯を持ってステ兄はおうちを出て行った。お弁当って言ってたけどどこまで行くんだろう。帰ったらお話してくれるかな。

ジン兄とお出かけしてたアレスも帰ってきてステ兄以外のみんなでステ兄を待ってたら帰ってきた。赤い女の子を連れて。

ラナとジン兄はどっかからユウカイしてきたんだ、って言ってたけどステ兄はそんなことしないよ。だって優しいもん。

三人で女の子と何か話してる間、僕はアレスとふたりっきり。僕はお姉さんだからアレスに色々教えてあげたりしてあげたいのにアレスはなんでも知ってる。

…でも、お花のことはアレスは知らない。これだけは僕はお姉ちゃんになれる。

アレスはあんまり僕たちとお話しない。ジン兄とはお話するけど、僕たちだととたんに無口になっちゃう。

ねえねえアレス、怖いことはなんにもないよ。だから、ゆっくりでいいからお話しようね。

お部屋にジン兄が来てアレスにぎゅうしたから僕もぎゅうしてるとラナが来てジン兄を連れていった。ふと頭に浮かんだのはあの赤い女の子。

会いにいってもいいよね?

呼んでた図鑑を閉じて部屋を出る、直前にステ兄が部屋に来た。

「ステ兄、どうしたの?」

「ん、ああ。ジアお前ヘアピン持ってたよな、貸してくれないか?」

いいよ、といって僕はきらきらした箱を取り出す。その中にはラナたちがくれたものがたくさん入ってる。僕の宝物。

大き目のきらきらしたピンを一つとってステ兄に渡す。ステ兄はさんきゅ、っていって僕の頭を撫でた。

「そうだ、アンリマユに自己紹介しろよ、あいつも家族になるんだから」

あの子も、家族!

ぱたぱたと廊下を走る。いつもラナに危ないわよ、って言われてるけど今日は許してね。

ドアを開ければあの子が起きて部屋にいた。

「あ!起きてた!」

女の子はびっくりしたみたいに僕を見てた。次にステ兄、最後にアレスが部屋に入ってきてステ兄が僕とアレスの名前をあの子に言う。

よろしくね、って言えば女の子は少しおろおろしてた。そうだよね、一日で色んな事があったんだもん。僕もそうだったよ。

僕がいろんなこと教えてあげる。僕だけじゃない、アレスも、ステ兄も、ジン兄も、ラナも教えてくれる。

だから、だからね。

これからよろしくね、アンリマユちゃん。

 

実験少女と赤い女の子

フリージアからみた感じ。

頑張ってお姉さんしますので…!