氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

大好きな君が笑ってくれるなら

夜空兄さんのめった刺しタイムの話。少しだけ注意。

 

 

どうしたの?

まどろんでいた夜空が目を覚まし自分の上に乗っていた妹にかけた言葉である。

「どうしたの、朝日。具合悪い?」

俯いている妹にそう問いかければぎりっ、と歯を噛みしめる音がした。

「…いんだ」

「え?」

ぼそりと何かを呟いた朝日は思い切り手に持った何かを夜空の顔のすぐ横に突き刺した。

突き刺さったのは鈍く光る包丁。

「…お兄ちゃんが、そんなだから!私は幸せになれないんだ!」

今にも壊れそうな妹の顔。その目に湛えているのは純粋な憎しみと、殺意。

「…」

ゆっくりと包丁を持った腕があげられる。鈍い煌めきを放つ包丁は昨日父が研いでいたものだ。

「…いいよ?」

ぴく、と朝日の腕が揺れた。

「朝日がしたいなら、いいよ」

どす、と腹に衝撃が走る。

不思議と、痛みは無かった。

 

大好きな君が笑ってくれるなら

(どうぞご自由に)