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氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

いつまでも待つから、

仁王の話。多分イヴェリアさん達が更生施設から出てくるまでの五年間の話みたいな

 

あの子がいなくなってどれくらい経っただろう。

俺の大好きなあの子が俺の前から姿を消したのはいつだっただろう。

美也子があんなに大事にしていたあのメイドの女の子も美也子の前に現れなくなったのはいつだっただろう。

ぱしん、と背中を叩かれ思考の海から引き揚げられる。顔をあげればしかめっ面のカドゥタが見下ろしていた。

「ほな、ちゃっちゃと終わらせぇ」

電源がついたままホーム画面で放置されたパソコンを指で指される。カドゥタはさっさと行ってしまった。

キーボードを叩きながらちらりと隣の美也子を見る。

じっと画面を見つめながらキーボードを叩いている。

「…何よ」

いつの間にか画面を見ていた金色の目がこちらにむいている。

「…あ、いや」

目を逸らして画面に向ける。美也子はふん、と鼻を鳴らして画面へと目を戻した。

(…きっと、美耶子は今でもメイドちゃんを待ってる。表に出さないだけで、ずっと)

ねえ、イヴェリアちゃん。

俺、ずっと待つよ。

犬みたいだ、って笑ってもいいからさ。

だから、ねぇ

いつまでも待つから、

(帰ってきたら、よくできましたって褒めてほしい)

 

 

忠犬仁王。