ココロと自我の関係性について
R-10の話。
きぃぃん、とコンピューターが起動するような音が響く。
閉じられていた瞼がぱっと開き液晶の瞳に文字が列をなす。
彼の製品番号はR-10。この研究所で造りだされた機械の10番目である。
彼の一日は決まった時間に起動され始まる。
研究員の手伝いや買い出し、余った短い時間の中で兄を訪ねたりとある少女の元へ向かい決まった時間にシャットダウンされる。
彼がこのことに不満を抱いた事はない。ほんの少しではあるが自由時間も存在するし、何より彼自身が自分の存在価値を理解していた。
自分は量産が可能な機械であって、今までのデータさえあれば自分を解体して新たな機械、「R-11」を起動する事ができるということを。
「おはようございます、R-10、正常に起動が完了しました」
ココロと自我の関係性について
研究所組はR-10を気に入ってるから解体はしないしR-11を造ることもないけどR-10はこう思い込んでる。
多分R-10が望めば人造人間にしてくれる