彼にとっての神であり太陽であり神ではなく太陽でもない
咲ゴリちゃんというかなんというか
ああ、本当にあの人は神のようだ。
ゴミクズのような俺なんかにあの美しい顔を向けてくださる。あの美しい声で俺の名前を呼んでくださる。あの人はきっと神なのだ。
それに比べてあいつらは何なのだろう。あの方に不埒な事をする話をしている。
実に汚いとは思いませんか。まあ、俺も汚いので人の事は言えませんがね。
しかしあの方に目をかけていただけているのに、俺はいつまでたってもクズのままだ。あの方の隣に立ってもいいくらいになりたいのに。
…ああ、そんなこと実現しないなんてわかりきっている。ゴミクズはどんなに頑張ったってゴミクズのままなんだ。バラバラになったガラス細工をどうしたって、元の美しいガラス細工になるはずがないように。
そうか、ならあの方を引き立てるためのものになればいいんだ!何故今まで気付かなかったのだろう!
…え?恋仲に?俺が、あの方と?
冗談を。人間は太陽に近づけないのです。太陽に近づきすぎた哀れな人間は地に叩きつけられ死ぬのです。
俺は死ぬなら、あの方の命で死にたいのです。
それは貴方も同じでしょう?
ねぇ、大佐殿?
「…そうだね」
苦笑し、彼方は呟いた。
彼にとっての神であり太陽であり神ではなく太陽でもない
(これもきっと愛なのだ)