独りぼっちとふたりぼっち プロローグ 「永遠を願った者の末路」
昔、遠い昔。永遠に焦がれた夫婦がいた。
夫婦は永遠を手に入れるため、神の血肉を食らった。
夫婦は念願の永遠を手に入れることができたが、食らわれた神の仲間達は夫婦に言った。
「主等は禁忌を犯した。いつか、主等が後悔する時が来るだろう」
永遠に生きる夫婦はやがて子供を授かった。
そして、月日がたち、「その時」がきた。
夫婦の肉体が朽ちた。
しかし夫婦は生きていた。
「魂」として、誰にも干渉できぬ存在として、夫婦は生きていた。
そしてようやく夫婦は理解した。
永遠という、無限の地獄を。
「ああどうか!子供達だけは!子供達だけはお許しください!」
夫婦は涙を流し神に乞うた。
しかし神は冷たく言い放った。
「永遠を望んだのは紛れもない主等だ。これも永遠だ。どうだ、うれしかろう?」
夫婦は永遠を生きる。ぽつぽつと、増えていく干渉できない子孫と共に。
そして双子が生まれた。
双子は知った。
遠い昔、自分達の先祖が犯した大罪を。
永遠を願った者の末路
(ああ神よ!)