氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

自己再生系男子の追想

ステラが帰った後。

 

 

 

「どうしたのステ兄?おいも美味しくない?」

ぼんやりとしているところにフリージアの声がかかり我にかえった。横を見ると心配そうな顔のフリージアと目があった。

「いや、何でもねえよ、いもうまいし」

「そ?大丈夫?」

笑いかければフリージアはよかった、といい笑った。アレスはジンが連れて帰ったのだろう、すでにいなかった。

「何よどうしたのステラ?山から戻ってからぼんやりしちゃって」

「…ラナン」

くすくすと笑いながらラナンキュラスが話しかけてくる。話したいがあの人との約束だ、話すわけにはいかない。

「いや、何でもねえ。あ、魚がいなくなったっての、あれ熊だわ。こーんなでっけえの」

「あら、そうなの?大丈夫?」

「おう、もうすぐ冬眠するだろ」

ジンがいたらばれてしまいそうだが単純なラナンキュラスはあっさりと騙された。内心彼に謝りながらもふとあの人を思い浮かべた。

(…なーんか、ほっとけねーの)

自己再生系男子の追想

(冷めたいもはまずかった)

 

冷めた焼き芋はもう焼き芋じゃない