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氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

さぁ墜ちてこいよ

ファイルンの話。「本能」と「理性」。

 

 

―墜ちてこいよ―

 

ゆらゆらとゆれる意識の中聞き覚えのある声が聞こえる。

 

―本能に身をゆだねろよ、なあ―

 

「…やだ、いやだ…」

くつくつと笑い声が響く。ぞわぞわと背筋に悪寒が走る。

 

―お前もこっちにこいよ、いいもんだぜ?肉を引き裂く感触、血液の味、悲鳴―

 

「やめて!」

耳を塞ぐ、しかし声は直接頭の中に響く。

 

―食えよ―

 

何かが入った籠が置かれる。それは大きな鳥の入った鳥籠。

 

―ほら、食えよ。引き裂いて、噛み砕いて…―

「やめてくださいっ!!」

がばりとファイルンはベッドから跳ね起きた。全力疾走したように息は切れていて汗がぽたぽたと滝のように流れ落ちる。

「…ぁっ、はっ…」

かたかたと震える体を抱き、ファイルンは自分自身に怯えた。

 

さぁ墜ちてこいよ

(心の奥で自分が哂った)

 

 

本能さんこと本能ファイルンの話。

ファイルンとの違いは一人称は「俺」になるのと敬語じゃなくなるのと目の色が水色になるくらい