氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

迷子の寂しがり屋さん

ツカサの話。

 

 

 

「…あれれれ?」

ピンク色の髪の少女がきょろきょろとあたりを見回した。少女、ツカサは姉と一緒に出かけたのだ。しかし、姉の姿はなく、ツカサ一人だけだった。

「ねーね?ツカサはここなのですよー?ねーね?」

声をあげ姉を呼ぶが返事はなく風の音がさわさわと聞こえる。まるで一人きりのような感覚になりツカサの元から弱い涙腺から涙があふれ出す。

「うぇえ…ひっく、ねーねぇ…ねーね…」

ぼろぼろと涙を流しながらツカサは歩きだした。涙でうまく前が見えずどんと誰かにぶつかった。

「うにゃっ!」

尻もちをつきうまく見えない視界でぶつかってしまった人を見上げる。

「ご、ごめんなしゃい、わざとじゃ、ないれす」

こわくて、さみしくて、ツカサの目からさらに涙があふれた。

 

迷子の寂しがり屋さん

(ごめんなさい)

 

 

ぶつかったのはコロネさんでも別の誰かでも()