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氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

緩やかな崩壊

小説もどき ポケ擬

嗤う者と、訝しむ者と、怯えるものと。

コウ離脱後のグローリア。

 

 

 

「…ねえハルちゃん、コウは本当に死んだの?」

「…急にどうしたんだ、リリス?」

「ん、いや…」

彼女、リリスがきいてきたのは以前の彼女の相棒であるゾロアークの青年のことだった。青年、コウは『裏切り者』として処刑された、とメンバーには伝えられていた。

「…コウのことだからさ、今にもへらへらしながらひょっこり戻ってくんじゃないかな、って」

「…」

ふとハルトの脳裏に浮かんだのは、あの夜のことだった。

『ねぇ参謀、参謀は恋したことある?』

『オレさ、あいつに会うまで恋なんてわからなかったけど、結構いいもんだね』

『オレ、すっげえ幸せ』

あの夜の、すごく幸せそうな顔で笑ったコウが忘れられない。あのあとは、海の底へ沈んでいったのだろう。あの顔、で。

「わ、わかってるわよ!あいつは裏切り者だから、ホイホイ戻ってこれるわけじゃないって!生きてたら、止めをさすって!」

「…なら、いい」

ばたばたと走っていたリリスを見送り、ハルトはぼぅ、と黒い球体を呼びだした。

球体の中には映像が流れていた。

『―まったく、あなたはいつも…』

『わあああ何でもするから怒んないでぇぇぇ!』

『じゃあこれとこれとこれを仕上げてそのあと買い物に付き合ってください。もちろん荷物持ちですよ、コウ君』

『わかったよ、ひろ』

「…」

ぐしゃり、と球体を握りつぶす。幸せそうな二人の声はぶつりと途切れる。

「…コウ、あの時は言わなかったがなぁ」

すうすうと寝息を立てるギラティナを見る。

「恋や愛で、人は争いを始めるぞ?お前は、間違った」

くすくすと、ハルトは哂った。

 

「…最近、さんぼー、怖いよ」

ぽつりと、ローゼンが呟いた。プラズマは傍で膝を抱えパチリと静電気を発した。

「…さんぼう、さいきん、ずっと、わらってる」

「ねえ、プーちゃん、ウチら、何したいんだろ」

「…ミーにも、わからないよ」

二人は、言いようのない恐怖に怯えた。

 

「…ソールさん」

「…ああ、ドーリィ。どうしたのかな」

ふらりと武器庫に現れたのはぼろぼろの服を纏った少年、ドーリィだった。武器庫の主であるソールは突っ立っている彼に声をかけた。

「…グローリアの、ボスは、リーダーだよね?参謀さんじゃないよね…?」

「…?リーダーがボスだろう?」

「そうだよね?参謀さんじゃないよね!ボク達は、リーダーについていけばいいんだよね…!?」

「あ、ドーリィ、一体…!」

一方的にまくしたてたドーリィは走り去った。あとに残されたソールはドーリィの問いかけを考えた。

「…ゼアル、聞いていたのだろう?どういうことなのだ」

「…最近、ハルトの野郎が指示出してんだ。…コウの一件も、ハルトの野郎の命令だ」

「…そうか」

「ガキ共はすっかり怯えきってる。…何考えてるやら」

ソールはハルトの思惑を訝し始めた。

緩やかな崩壊

(結末へ行きついた時、笑っているのは、はたして)

 

静かに内部崩壊を始めるグローリア。でもここからは離れることができないメンバー。理由は帰る場所がここしかないから、だったり。

コウが離れられたのは一度死んで生まれ変わったから、てのもあるけど比呂也君っていう帰る場所が出来たからっていうのが一番の理由。

こいつらに救済を与えるとしたらやっぱり愛する人と、ここじゃない帰る場所なのかな、と。