氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

昔々の言い伝え

太陽の過去。

 

 

むかしむかし、「たいようのけしん」とよばれたかみさまがいました。

かみさまがいるばしょは、くもがはれ、いつもたいようがかおをだしていました。

そんなかみさまを、おこらせてしまったひとがいました。

かみさまは―

「あれ?」

オリオンは絵本を見て声をあげた。最後のページが破られていたのだ。

「兄上、兄上!この絵本の最後のページがありませぬ!」

「は?何で…」

絵本の表紙を見た太陽ははっと息をのんだ。

「あー…、うん、今度新しいの買ってやる。それもうよこせ」

「うー、はいー」

絵本を渡すと後ろからおーちゃーん!とオリオンを呼ぶ声が響いた。はーい!とオリオンは走って行った。

「…」

たいようのけしん、と書かれた絵本に目を落とし、燃やす。火力が強すぎたのか、太陽の掌は火傷していた。ひりひりと痛む掌を見、太陽は虚ろに語りだした。

「…かみさまは、このせかいすべてをたいようでつつみこもうとしました。しょくぶつはかれはて、みずはじょうはつし、いきものはしんでいきました」

太陽の脳裏に、昔のことが浮かんだ。

「…そんな、わるいかみさまは、かみさまのあるじによって、さばくのふかいふかい、おしろのなかにふういんされました」

昔々の言い伝え

(わるいかみさま、笑えるなぁ)

 

というね。太陽は自分が神様だってニーナ達には言ってません。ので少し一線引いて接してます。

だけどちゃこちゃんのおかげでちゃんと接することができるようになればいいな!