手を伸ばす、そのあとは?
ジンの過去話。
「人(ジン)」って名前を貰ったあとの話。
こぽり。
揺れる液体の中、ソレは目を覚ました。
―おはよう、『弐』
(…おはよう、センセイ)
液体の向こうの白衣の女性に返す。
聞こえてはいないはずだが、ソレは満足だった。
「おはよ、ジン」
「はよ、ジン」
「…」
ジン、目の前の彼らがソレにつけた名前である。
ソレは、その名が不快だった。自分には、あの人がくれた弐という名があったから。
「…零、壱、ジン、違う。オレ、弐。」
「だっせぇじゃん。ジンでいーの、お前は。」
壱は当たり前のように言ってのけ、な?と隣の零に同意を求める。
「…うん。」
「ほら、零もだせぇって!」
けらけらと笑いながらばしばしとソレ―弐の肩をたたく。
(…理解、できない)
「…ほんとにいいの?」
小さな少女を連れた青年が弐に問いかける。
「アタシはこの子つれてでるわ。…ジンも、ついてきていいのよ?」
弐は青年の目を見た。
「…オレの居場所はここ。それに、オレは弐だ。」
「…ラナ、いこう…?」
「…そうね、行きましょ。フリージア」
青年―ラナンキュラスは弐に背を向け歩き出し、一言つぶやいた。
「手を伸ばして、助けを求めてもいいのよ?」
「…馬鹿だよ。みんな。」
手を伸ばす、そのあとは?
(誰に手を伸ばせばいい?誰がこんな化け物を救ってくれるんだよ)
零→ラナンキュラス
壱→ステラ
弐→ジン
です。昔はラナが暗い性格でステラが明るい性格でした。
かなりとびとびですが、最後のラナとジンの会話のところ以外はみんな子供だったころです。
なにが書きたかったのかわからない。