氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

ちいさな恋のうた

シャルビーネと蒼星と音羽(ねう)

 

 

「あのねあのね、サイっていうお友達ができたのだよ。海の底に住んでるヒトでね、すっごくキレイなのだよ。かわいいし、かっこいいのだよ。ようやく名前教えてもらったのだよ。うれしいのだよ」

「…蒼星はホントに、その子のことが好きなのねえ」

「好き?ってなんなのだよ」

 

 

そんな会話をしたのがついこの間。

シャルビーネは頭をかかえて首をかしげる蒼星に恋とはなんたるかを教え込んだ。しかし、蒼星は一言「わからないのだよ」といい帰っていった。

「ああもう…じれったいわねえ…」

軽い頭痛を覚えながら後ろでヘッドホンで音楽を聴いていたメロエッタを呼ぶ。

「?なんなのですよ、あねさま」

「ねえ音羽、蒼星に、何か感じた?」

音羽はぱちぱちと目を瞬かせるとこくりとうなずいた。

「ソウセあにさまからは、あったかい恋の歌を感じたのですよ。あにさまが知らなくても、恋の歌ですよ」

シャルビーネはくすりと笑うと音羽の頭を撫でた。

 

ちいさな恋のうた

(自覚するのはいつかしら?)

 

音羽については後日。