氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

近い未来

これはいつか来る別れの話。

聖域組に絶対訪れる恋人さんとの死の話

 

 

ずいぶんと、ここは活気がなくなったとシャルビーネは思った。

「…はぁ、」

ぐいっと琥珀色の液体を飲み下す。喉が焼けるような感覚を好んでいたが今の状況でそれを楽しむという選択は無かった。

「…あっ」

「…ん?」

入口に蒼星が立っていた。黄色い目をおろおろと落とし服の裾をぎゅうと握りしめた。

「どうしたの、蒼星?」

「……すぅ、帰ってきた」

この帰ってきた、は里帰りのような意味ではない。とうとう、翠陽にも来たのだ。

「…翠陽、何か言ってた?」

蒼星は悲しげに目を伏せ呟いた。

「…幸せ、だったのかなぁって」

ぐしぐしと乱暴に目をこすると「もう、おしまいっ」と言って駆けだしていった。ぽつりとつぶやいた、「我だけ、ごめんなさい」という呟きをシャルビーネは聞き逃さなかった。

「…はぁ、」

本日何回目かもわからないため息をつき、玉座に腰かける。たん、と靴音がした。

「…フィリア?」

「はい、シャル様」

桃色の花を抱えた少女がにっこりと笑った。彼女は、一番最悪なかたちで「それ」を迎えてしまったのだ。

「あ、もうそんな…?」

「はい。いつもありがとうございます」

抱えていた花を一輪手渡す。ふわりと漂う甘い香りはシャルビーネの心を癒した。

「あら、余ってるのは?ティナ達?」

「いいえ」

ふるふると首を振った。首をかしげるとフィオーラは微笑んで言った。

「ゲノムさんに、です」

「え、」

「今日は風が強くふくみたいなので、風に持って行ってもらうんです」

きっとよろこんでくれます、と笑顔で言った少女はぺこりと頭を下げると去って行った。

その後ろ姿をシャルビーネは複雑な思いで見つめた。

「いつまでも泣いてたら心配するから」と笑った緋月。

「幸せだったのだろうか」と答えのない質問をする翠陽。

「自分だけごめんなさい」と泣く蒼星。

「また会えるよ、約束したから」と根拠のない未来を待つティナ。

「だから嫌なんだ」と余計引きこもるようになった雨宮。

「悲しむより感謝です」と言うフィリアーナ。

「もっと色んな事話したかった」と後悔する夢現

「一人はやっぱりつらい」と自嘲した誉。そんな誉を見て追いつめられていくアクア。

「…どう思えばいいのかしらね」

 

近い未来

(なきたいくらいだ)

 

 

不老不死っていいこと無いと思う麺類です。

不老はまあ、って感じですが不死になるといいことなんて無いと思います。

近い未来を迎えたら基本恋人さんいた奴らはこんな感じになります。アクアはヴィーナス君が死ななくても誉を見て追いつめられる。

救済装置は恋人さんが生まれ変わってまた出会うこと。生まれ変わっても記憶受け継いでるかなんてわからないしそもそも生まれ変わるともわからないからなぁ。