氷砂糖とアールグレイ

落書きとか小説もどきとかその日語りでもそもそもそ。

この手に掴むは勝利

続きそうでこわい。ホウエントリオとか聖域組。

 「はー、あんたが許すなんて思わなかったわ」

「…悩みに悩んだ結果、よ」

つらそうに顔をしかめたシャルビーネに翠陽はけらけらと笑う。隣に立っているジェーダがわらうとこじゃないよ、と呟く。

「あんたは?戦うのか?」

「…そうね、戦況がひどければ考えるわ」

「おーおー見たいもんだなあ」

「…にーたん」

咎めるようにジェーダが翠陽を呼べば悪かったって、と詫びた。

「んじゃ、ま、行ってくるわ。ジェーダ、お前は海っこ達と留守番だ。できれば聖のじーさん引きずり出しとけ」

「にーたんはたまにむりいうの」

ぱたぱたと地下へ走って行ったジェーダを見送ってから翠陽はくるりと身を翻し歩き出す。その背中にいわなければ、とシャルビーネは口を開いた。

「…死なないでね」

 

「遅いのだよすぅ、母殿と何を話してたのだよ」

「べっつにい?」

外に居た蒼星がようやく出てきた翠陽に声をかける。ぱたぱたと足を揺らしていた緋月がひょいと降りる。

「ねぇ、某達で守りきれるかな?」

「…ジジイ達がこれるとは限らねえだろ」

「あ、すいひまた父さんのことジジイって言った」

いってやろ、と笑いまじりに言うと翠陽は少し焦ったような顔をした。

「…二人とも、早く行くのだよ。母殿と父殿のお手を煩わせるわけにはいかないのだよ」

「おー、そうだな。何年ぶり、いや、何千年ぶりの大戦だ。体は鈍ってねえよな?」

「あったりまえ」

がりっと翠陽が何かをかみ砕くとみるみるうちにその姿が変化していく。それは緋月と蒼星も同じで眩い光に包まれ、姿を変える。

「あのブラコンどもは別の防衛ラインにいるからな!救援はないと思っとけよ!」

「わかってるのだよ!それにこの程度、我らだけで充分!」

「絶対この先には行かせない!」

この手に掴むは勝利

(そしてみっつの神は牙をむく)